怪談を語る会、ホラー短編集
[黒ずくめの男](1/5)

「Dです。私の番ですよね?」

「はい」とAは言った。

「わかりました。では……これは友達から聞いた話です。

ある人物が奇妙な体験をしました。その人物の名は便宜上、田中とさせていただきます。事の発端は小学校低学年の時です。

田中の祖父が体調を崩しました。高齢のため、もしかするとこのまま亡くなってしまうかもしれない、という状況です。

家族が看病している間、田中は暇でしょうがありません。誰も遊んでくれないからです。

仕方なく田中は家の前で、一人でボール遊ぶをすることにしました。

母が『暑いし、日が強いから帽子を被るのよ』と言いました。

田中は野球帽を被り、ボールを抱えて家の前に出ました。夏の日差しはギラギラとしていて、容赦なく田中の肌を焼きました。

田中がボール遊びをしていると、近くも遠くもない距離に、黒のコートに黒のハットを被った全身黒ずくめの男がいました。

田中は不思議に思いました。こんな夏の暑い日に、なんで冬物の格好をしているんだろう、と」

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