今日のお菓子は三題噺
[『雪』『真夏』『土星』](1/2)

「雪」「真夏」「土星」 とあるひと様提供。

 たとえば、と胴回りに黄色のレコードのようなリングをつけた男が言った。

「金髪の若い男を見て君はどんな印象を持つ?」
「チャラチャラしてそうだな、と思うよ。何も面白くない、一般的な回答さ」
「まあ、そうだね。これは先入観だろうか? 固定概念?」
「先入観が、固定概念に変わったんだろうね?」

 ふむ、とリングの男は頷くと、腰を囲む薄い黄色のリングに手を置いた。

「君は、金髪の若い男と話したことは?」
「あまりないね」
「じゃあ、金髪の若い男の友人はいないことになるね?」
「そうだね、言われてみれば。茶髪ならいるけど」
「それは固定概念なのかな?」
「いや、でも先入観と固定概念の垣根がわからなくなってきたな」

 男は、困ったように頭をかき、空を眺めた。真上に光る土星のリングが、とても綺麗だった。

「君い男がチャラチャラしているという情報をどこで得たかなんだ。主観的に判断したならば、先入観さ。周り、まあ要するに世間の金髪の若い男はチャラチャラしているという風潮に同調しての判断なら、それは固定概念だよ」
「なるほど」
「ま、僕はね、勘ぐりを働かせれば、君が最初に固定概念によって判断していたことなんてお見通しだったわけさ」

 男は頭をまたかいた。目を細めリングの男の言葉について思案した。

「固定概念と先入観は危険だよ。固定概念は特にそうだ。周りの作った概念に自分が毒されていく。先入観はその辺、まだマシな気もするけどね。例えば、雪国の人は寒さに強いんだろうなあ、という固定概念は崩しにくい。誰もがその固定概念に縛られ、雪国の人はその固定概念によって損なわれる。わかるかい?」
「よくわからないな」

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