ヤドカリ男
■ [現代に感謝を](2/4)

 城の建築が進んでいた。天守の建築に取り掛かっていて、完成が迫っていた。そこにきた雷だった。軽い雨が降っていたため、作業員はいなかったが、建築中の城に二度も雷が落ちて、天守とその周辺が燃えた。

 雷の落ちた箇所が燃えて黒くなってしまったため、すぐに解体作業に取りかかった。その解体作業中に、二人の作業員が足を滑らせて地面に落下した。一人は頭を強打して亡くなり、もう一人は足の骨を折った。

「災いだ。立て続けに悪い事が起きる」と誰かが言った。

 建築が止まった。作業員の気が進まず、作業が中断してしまったのだ。困った殿様は人柱を埋めることにした。そして殿様は人柱を決めるべく、城下町を視察した。家族全員は家の前に出るよう命令が下っていた。

 殿様はとある家の前で足を止めた。その家の前には夫婦と綺麗な娘が立っていた。13か14といった年齢である。殿様は配下の者にひそひそと耳打ちした。耳打ちを受けた配下の者が前に出た。

「お前さんの娘が人柱に選ばれた。感謝するんだな」
「私の娘が? 何かの間違いじゃないんですか?」
「間違いなんかあるもんか。殿が直々にお決めなさったんだ」

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