ヤドカリ男
■ [暫定地区](2/11)

 気が付くと、僕は森にいた。森には一本の道があったので、僕はその道を進むことにした。

 鳥の鳴き声がする。見上げるが、鳥の姿は見当たらない。

 しばらく進むと森を出た。街が広がっていた。煉瓦造りの家が軒を連ねている。

 街を眺める。ここはどこなんだろう。古めかしい街だ。日本なのだろうか? 外国のように見える。そして、どうして僕はこんな所にいるんだろうか。

 突っ立っていると、銃を肩にかけた男が家の影から現れた。男は僕を見つけると、こちらへ歩いてきた。僕はドキッとした。

「やあ。見ない顔だね」
「あの、ここはどこですか?」
「どこって言われてもな」
「住所を教えて下さい」

 男は困惑しながら、「住所なんてないよ」と言った。「まあ、此処は暫定地区と呼ばれてはいるけどね」と付け加えた。

「よくわからないんです。なんでこんな見知らぬ土地にいるのか、不明なんです」
「わかるよ。この街に来る連中はみんなそうなんだ。俺もそうだったからね。付いて来て。案内するよ」

 そう言うと男は手招きした。僕は男に付いて行くことにした。

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