怪談を語る会、ホラー短編集
[黒ずくめの男](5/5)

「『あいつがお前の祖母の命を。私はお前の命を取りにきた』

そう言うと黒ずくめの男は空を見上げました。

『もうすぐだ。もうすぐで死ぬ』

田中は友人に事情を話しました。両親にはとてもじゃないけど話せません。

『で、死神っていると思う?』と田中は友人に尋ねました。友人は『いるわけねえだろ』ときっぱり言いました。『お前頭大丈夫か?』

田中は『問題ない。いいか、死神はいるんだよ。俺が近々死んだら死神はいるってことだから。わかったか? 黒ずくめの男がいたら気を付けろ』と言って電話を切りました。

その数日後、田中は交通事故に遭って亡くなったそうです」

Dは黙った。咳をしてから、「これで終わりです。聞いてくれてありがとうございます」と言った。

「死神か……。黒ずくめの男を見たら覚悟を決めなくてはいけませんね」とBは言った。

「結局、黒ずくめの男は田中に何て言ったんでしょう? 祖父が亡くなったとき黒ずくめの男が何か言いましたよね?」とCは尋ねた。「ごで始まり、まで終わる言葉だと思います。多分」とDは言った。

それから沈黙が舞い降りた。Eが「次は俺の番か。Eです。話を始めますが、いいですかね?」と言って沈黙を破った。

「どうぞ」とDは言った。

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