INNOCENCE
■ [イノセンス](2/4)

 背景にはすいかやヤシの実やりんごの実をつけた針葉樹が並び、空には赤い太陽と青い三日月が距離を取っていながらも同じ高さで輝いている。流れ星がいくつも駆け抜け、幻想的だった。

  僕はその土地の音を知っている。恐竜の足音や轟音に相応しい鳴き声。けれども 、騒がしいだけではない。森の向こうや、雲の上で天使が美しい声で歌っている。その透き通った声を僕は今まで耳にしたことがない。人間には出せない声なのだ。歌詞はわからない。日本語でも英語でもない。

 たまたま絵日記にはその一ページしかない。絵日記は一日一ページだったからだ。

 文章はこうだ。

 きれいな歌声。まるでビー玉を太ようにすかしたようでした。(この頃から僕の比喩は稚拙だった)
 ティラノサウルスが大きな声で鳴いて、おどろきました。でも、もっとおどろいたのが、その大きさです。多分、大和君のマンションくらいの大きさです。(大和君の顔が思い出せず、僕は何よりも驚いた)
 森の木には、すいかがなっていて、おかしいなあと思いました。すいかは、木には生えません。椰子もあんな木にはなりません。(小学生が椰子なんて字を書くことの方がおかしい)

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